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潮と対話
自然の躍動と共鳴する
海と釣り、そして流れゆく時間。海上での対話から得たインスピレーションを記録します。潮の満ち引きや風の匂いが、どのように味の構成やカウンターでの所作に影響を与えるのか。釣り師の観察眼と料理人の情熱が交差する、波の音のように静かで力強い物語をお届けします。


時化の海に、料理人の意地を置く
市場に魚が並ばないからと、妥協することはありません 雑賀崎の猟師さんたちが、悔しそうに網を畳んでいる。 悪天候、そして容赦ない原油高。漁に出られない理由はいくらでもある。 けれど、私のカレンダーには、今日この場所を予約してくださったお客様の名前がある。 「魚がない」 その一言で片付けるのは、15年積み上げてきた「野菜家」としての矜持が許さない。 だから私は、竿を持つ。 年間300日以上、この海を見続けてきた経験が、潮のわずかな変化を教えてくれる。 魚の居場所を探り、ルアーを送り込み、静かにその時を待つ。 これは単なる趣味の釣りではない。 海と対話し、自然の恵みを強引にではなく、丁寧に「分けてもらう」ための儀式だ。 こうして手にした一匹は、市場で買ったものとは明らかに「顔」が違う。 今夜、皿の上に載るのは、 和歌山の海の厳しさと、それを乗り越えた一人の男の意地です。 潮の香りと共に、皆様のご来店をお待ちしています。

osamu N
Apr 301 min read
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